バツイチ美女と 御曹司
梅原と暮らす家はお台場にある
タワーマンションの最上階。

いわゆるペントハウスだ。

さて、学会だといって出かけて行った
梅原だが今日は帰って来るのだろうか。

相手の女性とも
きっともめているだろう。

ほんと今思い出しても、
優衣の演技は見物だった。

言葉とは裏腹に目をぱちぱちと瞬いて
精一杯の侮蔑の念を込めて
優依の瞳が梅原を射抜いていた。

それだけでマリは梅原にもう
何も言うことはないと思った。

きっともめることもなく、
離婚が成立するだろう。

明日さっそく実家に行って
父と兄に話してこようと決心した。

マリはこうと決めたら行動は結構早い
決めるまでが長いのだ。

よく優依たちに言われるのだが
石橋叩きすぎて疲れるんじゃないの?
さっさと渡るかやめるか決めなよって

でも離婚についてはマリの中で決心は
すでにできていたと思う。

きっかけがなかなかつかめなかったと
いうのが本当のところだ。

一番のネックはやはり実家の家族に
心配をかけてしまうことだ。

だからまずは父と兄に話さなければ
何も進めることはできない。

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