王子様たちに毎日甘く溺愛されて
こんなに綺麗な顔、初めて見た。



お母さんに無理やり連れて行かれた若手アイドルのライブにも、友達がイケメンと言っていた街中で見つけたハーフっぽい高校生も。



糸瀬くんを前にしてしまうとかっこよく見えなくなってしまうんじゃないかっていうくらい。



目の前の彼はキラキラしていた。



「…あんた誰」


そして割れたスマホには目も向けず糸瀬くんは突然屋上に現れた私に怪訝な目をする。



「えっと…一応同じクラスなんだけど」



そう!私と糸瀬くんは同じクラス、つまりクラスメイトなのだ。



「ふーん興味ない」



覚えられてない…あはは。



まぁ糸瀬くんみたいな学校中の人気者にでもなれば私みたいなごく普通のクラスメイト覚えてなくてもしょうがないよね。
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