あの頃の私は
プロローグ
私の名前は相川水樹(あいかわみずき)

あの日は雨の日だった。



あの日は1年生で初めての遠足で、動物園に行った。

雨なのにレインコートを着てさつまいもほりをしたり、牛の乳しぼりをしたりした。

あの日はあまり良いことがなくて、あまり覚えていないが、あのことは鮮明に覚えている。



夕方まで雨で、私の友達の宮本瑠奈(みやもとるな)と、隣のクラスの平井湊(ひらいみなと)と、湊の友達と一緒に帰った。

湊は学童が同じクラスだったので知っていた。

瑠奈と別れてしばらく湊と歩いてから「バイバイ」と言って別れた。

なんの変哲もないただの日常のワンシーンだったのに、なぜか特別に感じた。



それからは湊と一緒に帰る事になった。

湊のことは「ひらい」と、苗字呼びをしていたっけ

あの頃はまさかあんなふうになるなんて思ってもいなかった。




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