甘く切なく
目が覚めると、部屋が薄暗くなっていて、匠海はソファーの上で寝ていた。
スマホで時間を確認すると、20時12分だった。
「お腹空いたなぁ、、、。」
わたしはベッドから下りると、匠海の側まで行き、横向きになって寝ている匠海の上に抱き着くように乗っかった。
「、、、重い。」
「ねぇ、お腹空いた。」
匠海は眠そうな目を開けると、「今何時?」と訊いた。
「20時15分になるところ。」
「もうそんな時間かぁ、、、。」
「ねぇ、九ちゃん行こう!ラーメン食べたい!」
"九ちゃん"とは、匠海の家の2軒隣にあるラーメン屋"九次郎"のことだ。
匠海は「九ちゃん行くかぁ。」と言うと、それから「とりあえず、俺から降りろ。」と言った。
わたしが匠海から降りると、両手を上げ伸びをする匠海。
そして、匠海は財布とスマホを持つと、「行くぞ。」と言い、玄関に向かって歩き出した。
そのあとに続くわたし。
九ちゃんは、この辺では一番遅い時間まで営業しているラーメン屋さんで、大体1人で食べに来るお客さんが多いラーメン屋さんだった。