両片思いだったのに略奪されて溺愛されました
女特有の打算もなくて
嘘で取り繕った笑顔ではない、――杏の笑顔は、とても、美味。
「早く行きなよ」
なかなか、見れないからこそ、かな。
「いや、行こうとしたけど電気ついてたからさ、見にきたの。お前ホント可愛げないよなー」
その可愛げがないところももっと大好物なんだけど。
「終わったら行くってば」
「それあとどのくらいかかんの?」
「……もうちょっと」
「じゃあ待ってる」
今日は、その珍味(笑顔)を頂けるのか、――我ながら偏食。