両片思いだったのに略奪されて溺愛されました
モヤモヤとするけれど、後でハジメにでも探りを入れるか、と私はバッグを持って生産室に向かった。
そこにはハジメの姿はなくて、かわりにちょこんと座っている坂口君の頭だけがデスクトップから飛び出て見えた。
――苦手なんだよなぁ。
そう躊躇したけれど、ゆっくりと坂口君に歩み寄った。
「お疲れ様」
「お疲れ様です、どうかしましたか?」
「千葉君は、帰った?」
「今日は何か用事があるようなことを言って、帰りましたよ」
――よ、用事って……まさか