両片思いだったのに略奪されて溺愛されました
「無様すぎでしょ」
俺が、ね。
無様すぎて、笑えてくる。
「あ、――笑えたんだ?」
「貴女が笑かすからでしょう」
「笑ったら愛嬌あるのに」
笑うなんてこと、ここ数年なかったんだよ。
貴女の前以外では「必要ありませんから」と、わからないように、誤魔化した。
その後他愛のない会話を済ませ、風呂場に向かう。
確かに古い部屋だけど、子綺麗にしているし、バスルームも広い。
湯船につかって、しまったなー。と、宙を眺める。
あとはもう、どうやって伊藤さんを手中におさめるか、しか考えてなかった。