続お菓子の国の王子様〜結婚に向けて〜 花村三姉妹 美愛と雅の物語
4:レセプションパーティーと婚約発表#1
美愛サイド
2月7日。ついに、この日が来てしまった。
カフェBon Bonのレセプションパーティーの日。雅さんにとっても、会社にとってもオープン前の、とても大切な一日。これまでの努力が、ようやく“形”になる最初の一歩。
嬉しいはずなのに、どうしてだろう。
胸の奥が、ざわざわと波立っている。
パーティーには、マスコミ関係者を含めて100人以上が出席予定。仕事で関わっている方々や、そのご家族の姿もあるらしい。
正直、こうした場はあまり得意じゃない。
小さい頃に両親と一緒に出席したこともあるけれど、どこか居心地が悪くて……。しかも、今回は私たちの婚約発表まで予定されているのだから、なおさらだ。
仕事として、ただ“おもてなし”をするだけならまだしも、これはそういうわけにはいかない。
涼介先生とすーちゃんのこと……。以前、雅さんが話してくれたエピソードが、ふと頭に浮かぶ。
ボディーガードの方々もついてくれているし、1人にならなければ大丈夫。そう自分に言い聞かせているけれど、それでも不安な気持ちは消えない。どうしても、ネガティブな方に考えてしまう。
本音を言えば、ここまで大げさにしたくなかった。
もちろん、彼の立場や家柄、仕事上の関係があるのは理解している。でも……、まるで自分が“見世物”になっているみたいで、どうしても落ち着かない。
ハァ……、無事に終わりますように。
パーティーの数時間前。私たち家族と、他の親族6家族がホテル9(クー)のスイートに集まった。
このスイートは、雅さんの自宅のリビングの倍ほどの広さがあり、寝室が二部屋。女性陣と男性陣で、それぞれの部屋を着替えスペースとして使っている。
親族や関係者の皆さんが、雅さんや大和兄さま、会社の未来を祝福するなか、私はちゃんと笑えているだろうか。
……、愛する人の夢が、今まさに叶おうとしている。その瞬間に、私はちゃんと寄り添えているのかな。
ううん、全然できていない気がする。
最低だな、私……。
ここで婚約発表をするかわりに、私が望んでいた結婚式を挙げられるはずだった。なのに、こんなにも気持ちが揺れてしまう。
そして──
また、あの言葉が頭をよぎる。
『雅さんの嫁としてやっていけないわよ』
『この子は本当に雅さんに相応しいの?』
リビングをそっと抜け出し、寝室へ向かう。
ベッドに腰を下ろし、両手を膝の上で重ねて、静かに目を閉じる。
──落ち着いて、私。
──笑って、私。
深呼吸を何度も繰り返しながら、気持ちを整えていたその時。
「大丈夫?」
声をかけながら、ようちゃんが部屋に入ってきた。そして、私の隣にそっと腰を下ろす。
カフェBon Bonのレセプションパーティーの日。雅さんにとっても、会社にとってもオープン前の、とても大切な一日。これまでの努力が、ようやく“形”になる最初の一歩。
嬉しいはずなのに、どうしてだろう。
胸の奥が、ざわざわと波立っている。
パーティーには、マスコミ関係者を含めて100人以上が出席予定。仕事で関わっている方々や、そのご家族の姿もあるらしい。
正直、こうした場はあまり得意じゃない。
小さい頃に両親と一緒に出席したこともあるけれど、どこか居心地が悪くて……。しかも、今回は私たちの婚約発表まで予定されているのだから、なおさらだ。
仕事として、ただ“おもてなし”をするだけならまだしも、これはそういうわけにはいかない。
涼介先生とすーちゃんのこと……。以前、雅さんが話してくれたエピソードが、ふと頭に浮かぶ。
ボディーガードの方々もついてくれているし、1人にならなければ大丈夫。そう自分に言い聞かせているけれど、それでも不安な気持ちは消えない。どうしても、ネガティブな方に考えてしまう。
本音を言えば、ここまで大げさにしたくなかった。
もちろん、彼の立場や家柄、仕事上の関係があるのは理解している。でも……、まるで自分が“見世物”になっているみたいで、どうしても落ち着かない。
ハァ……、無事に終わりますように。
パーティーの数時間前。私たち家族と、他の親族6家族がホテル9(クー)のスイートに集まった。
このスイートは、雅さんの自宅のリビングの倍ほどの広さがあり、寝室が二部屋。女性陣と男性陣で、それぞれの部屋を着替えスペースとして使っている。
親族や関係者の皆さんが、雅さんや大和兄さま、会社の未来を祝福するなか、私はちゃんと笑えているだろうか。
……、愛する人の夢が、今まさに叶おうとしている。その瞬間に、私はちゃんと寄り添えているのかな。
ううん、全然できていない気がする。
最低だな、私……。
ここで婚約発表をするかわりに、私が望んでいた結婚式を挙げられるはずだった。なのに、こんなにも気持ちが揺れてしまう。
そして──
また、あの言葉が頭をよぎる。
『雅さんの嫁としてやっていけないわよ』
『この子は本当に雅さんに相応しいの?』
リビングをそっと抜け出し、寝室へ向かう。
ベッドに腰を下ろし、両手を膝の上で重ねて、静かに目を閉じる。
──落ち着いて、私。
──笑って、私。
深呼吸を何度も繰り返しながら、気持ちを整えていたその時。
「大丈夫?」
声をかけながら、ようちゃんが部屋に入ってきた。そして、私の隣にそっと腰を下ろす。