続お菓子の国の王子様〜結婚に向けて〜 花村三姉妹 美愛と雅の物語
ようちゃんは、そう簡単に言うけれど……、
でも、私には本当に何もない。
母さまみたいに自分の道を極めているわけでもないし、圭衣ちゃんやようちゃんみたいに、バリバリ働いているわけでもない。
みんなにはきっと、わからないんだと思う。
“何もない私”の気持ちなんて。
うつむいたまま黙り込んでいると、ふと視界に映ったのは、左手の薬指に光る、あの指輪。
雅さんが、私のために一生懸命つくってくれた、特別な指輪。時間をかけて、丁寧に、心を込めて……。彼がそれを作ってくれている姿が、自然と頭に浮かんでくる。
愛おしい。
この人と、やっぱり一緒にいたい。
ほんの数時間だけ、見せ物みたいになってしまうかもしれないけれど……。
それでも、私はーー
大丈夫。やれる。やってみたい。
そのとき、ようちゃんの声が、やさしく響いた。
「あのね、人にはそれぞれ、向き不向きがあるんだよ。あたしも圭衣も、あんたみたいに料理は得意じゃないし、他人に気を使うのも、上手くできない。スケジュール管理とか、予定立てるのも……、苦手。でもさ、美愛は、それができるじゃん。それに一緒にいる人を“ほっこり”させる力もある。だから……、他人と比べちゃダメ。美愛には、私や圭衣にはない“魅力”がたくさんあるんだよ」
ようちゃんは、私の目をまっすぐ見つめながら、続けた。
「さっき『見せ物みたいで嫌だ』って言ってたけどさ、それって、雅さんだって同じじゃない?あんた一人だけが、注目を浴びるわけじゃないんだよ。だったら大好きな人の隣に、堂々と立ってあげればいい。その人を、支えてあげればいい。……、ね? ほら、もう行こ。向こうに戻ろ?」
そう言って、ようちゃんはふわりと笑いながら立ち上がり、私に、手を差し伸べてくれた。
その手を、私はしっかりと握る。
そして、ようちゃんと一緒に、リビングへ戻った。
ほんの少しだけど……、気持ちが軽くなった気がする。
でも、私には本当に何もない。
母さまみたいに自分の道を極めているわけでもないし、圭衣ちゃんやようちゃんみたいに、バリバリ働いているわけでもない。
みんなにはきっと、わからないんだと思う。
“何もない私”の気持ちなんて。
うつむいたまま黙り込んでいると、ふと視界に映ったのは、左手の薬指に光る、あの指輪。
雅さんが、私のために一生懸命つくってくれた、特別な指輪。時間をかけて、丁寧に、心を込めて……。彼がそれを作ってくれている姿が、自然と頭に浮かんでくる。
愛おしい。
この人と、やっぱり一緒にいたい。
ほんの数時間だけ、見せ物みたいになってしまうかもしれないけれど……。
それでも、私はーー
大丈夫。やれる。やってみたい。
そのとき、ようちゃんの声が、やさしく響いた。
「あのね、人にはそれぞれ、向き不向きがあるんだよ。あたしも圭衣も、あんたみたいに料理は得意じゃないし、他人に気を使うのも、上手くできない。スケジュール管理とか、予定立てるのも……、苦手。でもさ、美愛は、それができるじゃん。それに一緒にいる人を“ほっこり”させる力もある。だから……、他人と比べちゃダメ。美愛には、私や圭衣にはない“魅力”がたくさんあるんだよ」
ようちゃんは、私の目をまっすぐ見つめながら、続けた。
「さっき『見せ物みたいで嫌だ』って言ってたけどさ、それって、雅さんだって同じじゃない?あんた一人だけが、注目を浴びるわけじゃないんだよ。だったら大好きな人の隣に、堂々と立ってあげればいい。その人を、支えてあげればいい。……、ね? ほら、もう行こ。向こうに戻ろ?」
そう言って、ようちゃんはふわりと笑いながら立ち上がり、私に、手を差し伸べてくれた。
その手を、私はしっかりと握る。
そして、ようちゃんと一緒に、リビングへ戻った。
ほんの少しだけど……、気持ちが軽くなった気がする。