寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
こうして確認する度に、安心する。
こんな黒く歪んだ俺をも受け入れてくれる、莉茉の深い愛情に。
『暁、私以外の女性に触るつもりなの?』
莉茉の嫉妬ほど、嬉しいものはない。
だって、そうだろ?
何とも思っていない相手に、あんな感情を向ける訳がないんだから。
莉茉の、言動1つで、俺は一喜一憂させられる。
そんな自分も。
「………、悪くねぇ。」
嫌いでは、ない。
莉茉によって、俺は普通の人間になれるんだ。
だからこそ、求めずにはいられない。