僕は、弟の学費を払うために恋愛リアリティーショーに出演することになりました

ep2

まだ制服姿で、通学路を歩いていた頃。
風太は元々、芸能界に興味などなかった。だがどんなに鈍感な自分でも理解していた。
――自分の顔は、周囲と違う。

「風太先輩!好きです。付き合ってください!」
見知らぬ後輩女子が息を切らして駆け寄ってくる。

「いいよ。」

「本当ですか!?」

「うん。」

軽い返事に、後輩の目は一瞬で輝いた。
だがそれはただの気まぐれだった。

「風太、また告られたのか?あの子、ミス〇〇に選ばれた子だぞ?」
幼なじみのたけしが呆れたように言う。

「そうなんだ。」

「そうだよ、お前の彼女になった子だろ?」

「そうだよ。」

「お前ってやつは……」

――この頃の俺は、本当の愛なんて知らなかった。
名前すらろくに知らない相手の告白を受け入れるのは、ただ断るのが面倒だから。それだけだった。

やがて別の女子が現れ、同じように告白する。

「ごめん。俺、彼女いるから。」

そう言えば、角が立たずに断れる。だから付き合ったのだ。
ただそれだけ。

そして数日後、あっさり別れを告げられる。

「先輩、別れてください。」

「え?なんで?この間付き合ったばっかりじゃん。」

「なんか……思ってた感じと違いました。こんなに冷たいとは思ってなかったです。」

――みんな僕の顔にしか興味がない。
それも、うすうす気づいていた。
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大嫌いな兄の友人は、国民的アイドルです。

総文字数/38,551

恋愛(ラブコメ)21ページ

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「お前ら、本当に仲いいよな」 そう言われるたび、私は全力で否定する。 「は!? どこが!?」 私――瀬名美緒には、昔から大嫌いな男がいる。 兄・玲央の親友、朝比奈悠。 幼い頃からずっと一緒。 研究生時代も、同じ夢を追いかけた仲間。 ……なのに、こいつは本当に空気が読めない。 「美緒、怒ってる?」 「怒ってない」 「お腹減ってるんでしょ?」 「違う!」 「ほら、好きなガム」 「いらない!!」 そんな悠は、今や誰もが知る国民的アイドル。 一方の私は、地元の小さなアイドルグループで活動中。 音楽番組で共演すれば、女性アイドルに囲まれている悠を見て、なぜかイライラする。 「紹介してよ」 「……別にいいし」 「美緒、なんで怒ってるの?」 「怒ってないってば!」 国民的アイドルになったって、私にとっては昔と何も変わらない。 大嫌いで、ムカついて、顔を見ると喧嘩ばかり。 ……そう思っていた。 ある日、兄がかつて所属していた人気グループと音楽番組で共演することになった。 そこで、メンバーの一人から突然言われた。 「お兄ちゃんの件、ごめんな」 「……え?」 「あ……知らなかったんだ。ごめん。今の聞かなかったことにして」 兄・玲央が人気絶頂の中、突然アイドルを辞めた理由。 そして、かつて兄の一番の親友だった悠と、兄が疎遠になった理由。 私は何も知らなかった。 いや――知らされていなかった。 「悠。お兄ちゃんに何があったの?」 「知らない」 「嘘でしょ」 「……俺ら、もう疎遠なんだよ」 そう言った悠の顔は、いつもののんびりしたものとは違っていた。 大嫌いだったはずの兄の親友。 ずっと近くにいたのに、私は何も知らなかった。 そして気づけば―― 私は、誰よりも近くにいるはずの彼を、今までとは違う目で見るようになっていた。 大嫌いな兄の友人は、国民的アイドルです。 笑って、喧嘩して、すれ違って。 それでも、いつも一番近くにいた。 これは、国民的アイドルと売れないアイドルの、ちょっと騒がしくて、少し切ない恋の物語。

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