無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる


ぴょん、とベッドから飛び降りて、近くの窓を開ける。


空気を入れ替えるために、起きたらすぐに換気をするのが日課なんだ。


窓の外に少しだけ身を乗り出すと、心地のよい晩夏の風が髪の毛を揺らした。


ふっと鼻をかすめる早朝の香り。


朝の香りって、なんだか優しいお日様の香りがするんだ。


大きく息を吸って吐いて、深呼吸をする。


なんだか清々しい気分だ。


さあ、今日も一日がんばるぞっ。


心の中でそう意気込みながら、私は窓を閉めた。


うーん、と大きく伸びをしてから、部屋のクローゼットに手をかける。


今日からまた学校だ。


九月も終わりに近づいてきたから、衣替えもすぐそこだ。

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