無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる


この高校は中高一貫校だから、前の私を知っている人もたくさんいるはず。


でも、中学から高校にあがるときに、別の高校に行く人も多い。


現に、中学校の頃に仲が良かった香乃ちゃんも、別の高校に行ってしまった。


もちろん、高校から入ってくる人もたくさんいるわけで……。


あれ、意外と少ないのかな……。


そんなことをぼんやりと考えながら、琴葉ちゃんの話に耳を傾けていた。



「いい加減、ご飯食べよっか。もう時間ないよね」

「あっ、そ、そうだねっ」



確かに、琥珀くんに手を振ったときに、昼休みの終わりが近づいてきていることを感じた。


あれから時間もたったし、もうだいぶ五限目までの時間が少ないはず。


大好物のオムライスを、頬を緩ませながらほおばる。


うん、やっぱりおいしいっ。


それからは、琴葉ちゃんと他愛のない話に花を咲かせながら、充実した昼休みを過ごした。

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