無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる


待って、言わないで、言わないで……!


反射的に耳を塞ごうとした、そのとき。



「……別にどうでもいい、そんなの」

「そんなこと言わずにさ……」



ある男の子の声をさえぎるように、染野くんは言う。


……言って、しまった。



「前も言っただろ。俺、朝倉のこと大っ嫌いなの」



染野くんが、比較的大きな声で言ったので、教室中にその声が響き渡った。


しん、と辺りが静まり返る。


……聞きたくなかったのに。


そう言われることくらい、拒絶されることくらい、分かってたのに。


どくどく、と心臓が嫌な音をたてる。


だから、叶わない恋なんだ。

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