無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる


「朝倉、さん……」


その名前を呼ぶと、心臓の鼓動が速くなっていく。

会いたい、とか可愛い、とか。
彼女に対してのそんな言葉が、頭に浮かぶ。

甘酸っぱいような、少し苦いような感覚に襲われて、僕は口元を片手で隠した。


「好きだ……」


人はこんなに簡単に恋に落ちるものなんだろうか。

少なくとも、僕の場合はそうらしい。

前から気になっていたものの、好きだと自覚したのはつい昨日だ。

あぁ、もう、一旦落ち着け、僕。

スーハー、と大きく深呼吸をして、心臓を落ち着かせる。

気を取り直して、ゲーム機を取りに行く。

時間があるからやる、というなんとも単純な理由で。

それから二時間ほどゲームを続けたところで飽きてしまい、もう一度スマホを手にした。

色々な動画を見漁ること一時間ほどで、目が痛くなってきてスマホを閉じた。

……もう三時間くらいか。
結構な時間、楽しんでるんだな。


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