無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる
同居相手





……今、ものすごく緊張している。


車に揺られ、流れていく窓の外の景色をぼんやりと眺めている最中である。


九月も下旬に差しかかっているのに、夏の気配はなかなか消えてくれない。


道路の両側に立ち並ぶ緑の葉っぱをつけた木々が、風に吹かれてゆらゆらと揺れている。


うぅ、どうしよう……っ。


わ、私上手くやれるかな……っ!?


そんな穏やかな景色の中、一人大きな不安を抱えている私。


なんと、今日から私の同居生活が始まるのです……!


あれから今日の午前中までに荷造りを終えることができた。


1週間もあればすぐに終わると思っていたけれど、実際はかなり時間がかかってしまった。

< 81 / 486 >

この作品をシェア

pagetop