今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
そんな事を思いながら眠る彼女の顔を見て思う。

そしてブアッと次々にデザインが思い浮かんできてしまった。

彼女に声をかけるも起きない。

ダメか…

俺は渋々メッセージと電話番号を書き残して部屋を出たのだった。

家に帰って取り憑かれたようにデザイン画を描いていく。

彼女を思い浮かべながら。
いつもは十字に書く顔も彼女の顔にして。

描きながらそんな自分に笑ってしまう。
危ない奴じゃないか?

いや、これは立派なデザイン画だ。

彼女の仕事もちゃんと聞けばよかった。

服を作ってるのか?
なら、これを作れる?

そしてすぐに連絡が来るかと思っていたのに、待てども待てども来ない。

やっぱり一人で置いてきたのは間違いだったよな…

今更後悔する。




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