今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
その後もやはり彼女からの連絡はない。

タケルの言う通り俺は捨てられたのか?

でもあの夜を思い出すと俺だけじゃなかったんじゃないかなんて淡い期待をしてしまう。

嫌だったら最初から俺の誘いについて来ないよな?

そんな事を思っていても仕事はあるわけで、しかも今俺はわりと窮地に立たされている。

それもこれも、ずっと俺のパートナーとして支えてくれていた専属のパタンナーであるダニエルが退社する事になったのだ。

前々から少し話には出ていたが、まさかこんなに早く…

一緒に日本に来てくれたのに…

なんとも、ダニエルの両親は故郷で大きな農園をしていてどうやら親父さんが体調を崩してしまったとか。

ダニエルも悩んだ末の退社で、このまま辞めるわけにはいかないと後任を探すまではと頑張ってくれているが、やはり親父さんの体調も気になっている様子で、俺もなんとか早くダニエルを故郷に帰したい。
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