君との恋は面倒すぎる
 薫くんはおかしそうに笑うと「じゃあ、俺は紗月とデートでもしてくっかなあ」と言いながら教室を出ていってしまう。デートなんて言ってるけど二人は付き合ってないし、紗月も薫くんの事はただの幼馴染みとしか見てない。

 お似合いなのにな、と思うけどくっつきそうな雰囲気はまるでない。

 薫くんはこの手の話は流すし、紗月は付き合わないのか、なんて問い掛けた瞬間に嫌そうな顔をする。

 迂闊にこの手の話を振れない。


「…付き合わないのかな2人」

「さあ、そういうのって本人たちのタイミングとか色々あるしこっちが考えるだけで下世話じゃん」


 蒼空くんはそう言って私の手を取って歩き出す。


「早く行くよ、時間もったいない」


 それ以上この話はしない、と言いたげに蒼空くんは先をどんどん進んだ。

 わかるけど、ふたりとも本当にその気がないのか気になる…!
 薫くんももう新しい恋しててもおかしくないよね。

 過去に自分と薫くんの間にあったことを考えれば少し複雑な気持ちにはなるけれど、それでも時間も経てば少しは前に進んでいるのではないかと思った。

 この時の気分は気付いていないけれど、きっと配慮の無い考えで、蒼空くんはそんな私を止めようとしてくれていたと思う。
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