君との恋は面倒すぎる
 もやもやしながらも紗月と薫くんと学祭を一緒に回る。

 2人は私が落ち込まなくていいように、私に対して明るくふるまってくれていた。きっと1人だったらすごく落ち込んでいたと思う、私。

 そろそろ係が交代する時間だ。

 蒼空くんが戻ってくる。


「さて、こっからは俺とデートにする?紗月」

「…不本意だけど仕方ない」


 揶揄うように言う薫くんと、心底嫌そうな顔をしながら答える紗月。

 2人の会話に違和感を感じる。


「え、デート?そういう関係だったの?」

「そんな訳無いでしょ、日和は行く所あるでしょ」


 そう言って紗月が私の背中を押してくれる。


「ちゃんと楽しんできな!」


 何時も笑顔で送り出してくれる紗月。

 優しい2人に弱っているのもあって泣きそうになる。


「2人共ありがとう!大好き!」


 そう伝えると、紗月も薫くんも少し笑っている。


「はいはい、じゃあ薫行くよ」

「せめてその嫌そうな顔止めてよね。またね日和ちゃん」


 2人の背を見送って、それから教室の方に走っていく。

 まだ教室にいるかな蒼空くん。

 そう考え、自分たちの教室のほうへ向かった。

 片思い状態だとしても3年間も片思いしたし、関係がない。

 まだ私は蒼空くんの側にいたいから。
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