君との恋は面倒すぎる
Episode7
 ある日のお昼休み、蒼空くんといつも通り一緒に過ごし、テストも近いので勉強しながら過ごしていた。


「ここ間違えてる」


 常に成績上位にいる蒼空くんに、机を横に付けながら見てもらっているのだけれど、その距離が近くて全然集中は出来ない。

 指摘されても距離の近さが気になってしまって仕方ない程だ。


「蒼空くん、集中出来ない…」

「何が」


 何故私ばかりドキドキして蒼空くんは平気そうなのか。

 こんな距離は恋人だったら普通なの?

 前まではこんなに近くなかったのに最近はなんだか近すぎるような。それも好きと1度口にしてからなんだか吹っ切れた様に甘い。


「何か距離感近くない?」

「ここまで近付かないとノート見えない」


 そう言われて顔が熱くなる。意識しすぎだと指摘されたような気がして、こんなに距離の近さで意識してしまうのも私だけなのかと思えば恥じらいが生まれる。


「…緊張しすぎ、そろそろ慣れれば。この距離感にも」


 そう言いながら頬杖をついて私の顔を覗き込んでくる。

 こちらから見た蒼空くんの表情は悪戯心に満ち溢れている。口の形が弓なりに弧を描いていて蒼空くんはこの距離に余裕な事に少し悔しくなる。

 慣れる訳が無い。好きな人と目を合わせるだけでも照れくさくてどうにかなりそうだって言うのに。

 そう思いながら目を逸らすと「日和」って名前を呼ばれた。それだけで逸らすなって言われてる事は理解出来るが、恥ずかしくて見られない。

 顔を逸らしていると優しく頭を撫でられる。驚いて思わず顔を見ると、蒼空くんは何も変わらない表情でずっと撫でてくる。


「な、何…?」

「撫で心地良いなと思って」


 こんな風に触れてくるようになったのは最近だ。

 手繋いだりハグしたりしたから?
 急に触れるハードルが低くなったのは。
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