王子様が、呪われた私を気に入ったみたいです。
第1話『王子様が、私を連れ去るようです。』



「絶対に、人と話さない」

髪を固く三つ編みに結いながら、私は鏡に向かってつぶやいた。

「人と目を合わせない」

続けてそう呟きながら、制服のシャツのボタンを一番上までしっかりとかける。

「……そうすれば、誰にも迷惑をかけたりしない」

最後の仕上げに、顔の半分が隠れるような大きな伊達メガネをかけた。

あとは出来るだけ無表情でいれば、誰も私に興味を持ったりしないはずだ。

「誰とも関わっちゃダメ……だって私は、呪われているから」
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