ツイッター和歌集・1

河童(6)試練を受ける芥川

具体的には転生に渡る己の業(カルマ)を見つめそこに悪癖があるならばそれを正し、尚且つ悪魔と対話せずに、常に光を求め、その行いを為し続けることです。周囲がどうあろうともただひたすらに、です。
 翻って芥川の厭世主義がどこから来たかと云うと前記した通り彼の冷徹な理知の力と感性は恰も河童の国の哲学者マッグの如くに、虚飾に覆われた世の中の真のというか、裏の姿をほぼ的確に捉え得ました。それを「ふん、所詮世の中なんてこんなもんさ」と冷笑の内にやり過ごしていたのですが如何せん彼の魂がそれを宜いません。魂に妥協はない、妥協しないのです。冷笑は悪魔に通じる猶予なのであり魂は「そこを抜けろ」と芥川に迫ります。
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