片翼を君にあげる④
でも、ツバサはーー……。
「……っ、ははっ」
「!……どうしたの?」
「いや、可愛いな、って思って」
「っ……〜〜」
柔らかい表情で微笑みながら、私の方にそっと手を伸ばした。
「もう触れてもいい?出来れば抱き締めたいんだけど?」
「〜〜〜っ」
言葉が上手く出て来なくて、頷くのがやっとだった。
その直後にそっと、ツバサは屈んで車椅子に座ったままの私を抱き寄せてくれる。すると……。
……不思議だな。
ドキドキするのに、離れたくない。
恥ずかしい。慣れない。
でも、ツバサに抱き締めてもらうと、幸せな暖かさに包まれて悪い考えや不安は浮かばなくなる。
私はそっと、彼の背中に手を回して自らもギュッと力を込めた。
離れたく、ないなーー……。
私がそう思った直後、
「あ〜……、早く結婚して一緒に暮らしたいな」
ツバサがそうポツリと呟くように言った。
その言葉を聞いて、自分と同じ気持ちだという事が分かって、思わず表情が緩んでしまう。
ずるい。悔しい。
会う度に好きになってしまうーー。
遠距離恋愛の時よりも、こうして恋人として過ごすようになってからの方がなんだか大変だ。気持ちが忙しくて、落ち着かない。
でも、これもきっと恋人同士の幸せなのよね。
そう実感して、幸せを噛み締めた。
そんな私にツバサは更に嬉しい言葉をくれる。
「なぁ、レノア。結婚式の前に、もう一回結婚式しないか?」
「!……え?」
最初は意味が分からなかった。
私達の結婚式は、私のリハビリ次第で……まだ確定ではないが来年の予定だ。
アッシュトゥーナ家の娘としてやはり世間的にそれなりの式を挙げなくてはならず、式をする場所選びやら色々、様々な準備にとても時間がかかるのだ。それなのに……。
結婚式の前に、もう一回結婚式をするー?
その言葉にまばたきも忘れていると、身体を少し離したツバサが微笑みながら言った。


