The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
毎年。

ルレイアは自分の誕生日になると、同じことを言い始める。

「ねぇねぇルルシー。俺の誕生日ですけど~」

ルレイアは甘えた声を出して、俺にすり寄ってきた。

…またか。

「あぁ。プレゼントはやるよ。ケーキと、あとは酒だな。良いワイン用意しておくよ」

「ケーキとワインも嬉しいですけど~、俺今欲しいものがあって~、リクエストしたいな~?」

「…」

「欲しいな~?」

「…言うだけなら、言ってみろ」

ルレイアは際どい上目遣いで、目をうるうるさせながら言った。

「…ルルシー」

「却下だ」

案の定かよ。

毎年恒例行事か。

「何で~!俺はルルシーが欲しいんですよ~!」

「俺は嫌だ。お前にもらわれるつもりはない。金で買えるプレゼントをリクエストしてくれ」

金で買えるものなら何でも買ってきてやるから。

マニキュアセットでもゴスロリセットでも何でも良いぞ。

「もー、ルルシーったら毎年シャイなんだから…。じゃあフィンガーブレスレット買ってください。黒いのにしてくださいね。…あと、ちゃんと手首が隠れるものを」

「…あぁ、分かった」

…重要な使命を仰せつかった気分だ。

フィンガーブレスレットな。探してみよう。

俺じゃないなら何でも良いよ。

「私もルレイアに何かプレゼントするけど、リクエストはある?」

と、アイズ。

いつの間にか、アリューシャも目を覚ましていた。

「アリューシャも誕プレあげるよ。何ならルル公をリクエストしてくれても良いぜ。長距離ライフルで麻酔弾撃って眠らせて連れてくるよ」

「ふざけんなアリューシャ。そんなところで余計な才能を発揮するな」

俺、しばらく防弾チョッキ着て暮らそう。

いや駄目だ。アリューシャの狙撃の技術は本物だ。絶対チョッキ以外のところ狙ってくる。

「それで、ルレイア。何かリクエストは?」

「何でも言ってくれて良いぜ!アイ公に頼んでポチってもらうから」

またかよ。お前は自分で買いに行け。

「そうですね~。ルルシーも良いですけど…。じゃあ今年のプレゼントは…マニキュアとフィンガーブレス以外はこだわりないので、二人のセンスに任せますよ」

「分かった。考えておくよ」

「リクエストないと逆にムズいな…」

アリューシャも少しは頭を使え。

まぁ、何渡してもルレイアは大概喜ぶだろう。

間違っても、俺を撃つなよ。

「うふふー。お誕生日、楽しみですねぇ」

ルレイアは俺にすり寄って、ご機嫌の様子であった。

…嬉しそうで、何より。
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