The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
成程、ルレイア達がいつにも増して変な格好をしている理由が分かった。

良かったよ。アイズとアリューシャまで毒に侵されたのかと。

今日一日のことだったか。それなら安心だ。

「なんだ…ハロウィンか」

こいつらもあれだよな。イベント好きだよなぁ。

仕事しろよ真面目に。

するとルレイアは、興味無さそうな俺が気に食わなかったらしく。

「なんだとは何ですか!ハロウィンですよ!ゴスロリ服を着て合法的に街を歩ける素晴らしい一日なんですよ!」

と、怒り出した。

いや、お前ハロウィンじゃなくても堂々とゴスロリ着て歩いてるじゃん。年中。

それどころか、フェロモン振り撒きながら街中歩いてるじゃん。年中。

するとアリューシャまで便乗して、

「そうだそうだ!会う人皆に合法的にお菓子もらえる素晴らしい一日なんだぞ!ルル公も菓子くれ!悪戯すんぞ!」

「お前は年中アイズに菓子もらってるだろうが」

良い歳して菓子が欲しいからってハロウィンするな。

「ともかくルルシー!そういうことなので、俺にもお菓子ください」

「…」

にこにこ、と両手を差し出すルレイア。

…当然のことではあるが。

俺は、お菓子なんて用意していない。

そもそも今日がハロウィンだってことすら忘れていたし。

だから、菓子をくれと言われても困るのだが…。

「…まさかルルシー。俺へのお菓子を用意してないって言うんじゃありませんよね?」

「…」

「俺がこんなに丹精を込めて仮装してきたというのに、ルルシーは俺にお菓子もくれない訳ですか」

「…いや…」

…仮装って…丹精込めてやるものだっけ?

「…ごめん」

「えぇ~!本当に用意してないんですかー!?ひどーい。ホワイトデーも忘れてたのに、ハロウィンも忘れるなんて!恋人失格ですよ!」

恋人になった覚えはねぇ。

ってか、ハロウィンは別に良いだろ。お前は当たり前のように俺に菓子要求してくるが、俺もお前に菓子もらってないぞ?

「酷いんですよシュノさん!えーん。ルルシーがお菓子くれないんです~!」

あっ、こいつまた。

ここぞとばかりに、シュノに泣きつきやがった。嘘泣きの癖に。

しかしシュノはそれを本気にするので、またしてもルレイアが泣かされた!とばかりに、きっ、とこちらを睨んだ。

「ルルシー!それは酷いと思うわ。ハロウィンを忘れるなんて!」

「いや…だからごめんって…」

「そうだぞルルシー先輩。恋人達の祭典、ハロウィンを忘れるなんて許されざる大罪だ。これは詫びとして、ルルシー先輩も仮装しないといけないな」

…うん?

ルリシヤ、お前今何て?
< 780 / 791 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop