コイワズライ
4
ーー数日後、休み時間に食堂近くの自販機に行くと朔先輩にばったり会った。
「あ」
「あぁ、伊吹と千晃の…」
以前会った時のようにやんわりと微笑む先輩のベストには、私がぶっかけたカレーのシミが見当たらない。
「こんにちは、先輩カレーとれたんですか!?」
「うん、何度も洗濯してやっとね」
「あぁぁ、ごめんなさい!」
「洗濯したのは母さんだから俺はなにもしてないけど」
「あぁぁ、お母さんごめんなさい!」
話をしながら自販機に小銭を入れてピッとボタンを押す。先輩がかがんで飲料を取り出していると、自販機がピカピカ光りだした。
「先輩、当たってますよ!」
「え、マジで?ーーわっ、本当だ。押して押して!」
「えーどれですか!?」
あわあわと慌てて適当にボタンを押した。出てきたのはホットのミルクティー。
「それ飲まないからあげる!じゃあね」
「へ?あ、先輩!?」
慌てて走り去ってしまった。
***
「ーーっという経緯で、このミルクティーが私の手元にあるのです!」
教室に戻った私はさっきの出来事を2人に話し、ジャーンとミルクティーを見せびらかした。
「いらない物を体良く処分しただけだろ」
スマホをいじりながら話半分で聞いていた伊吹がケッと捻くれた笑いを浮かべて嫌味を吐く。
「違うも~ん!私に譲ってくれたんだも~ん」
「中学の時もよくジュースおごってくれたな~」
「ほら~やっぱり朔先輩は優しいんだよ~」
「新奈、この間から朔先輩にメロメロだね」
「だってね、初めて会った時キラキラしてたんだよ!笑顔も素敵だったしーー」
バンッと机を叩いて私を睨み付け、くっだらねぇとぼやいて教室を出て行った。
「なんで怒ってんの?」
「ん?あぁ、まぁ思春期だから」
「もしかして2日目?」
「そうかもね~バ○ァリンわけてあげたら?」
「……千晃って女子なの?」
「あ」
「あぁ、伊吹と千晃の…」
以前会った時のようにやんわりと微笑む先輩のベストには、私がぶっかけたカレーのシミが見当たらない。
「こんにちは、先輩カレーとれたんですか!?」
「うん、何度も洗濯してやっとね」
「あぁぁ、ごめんなさい!」
「洗濯したのは母さんだから俺はなにもしてないけど」
「あぁぁ、お母さんごめんなさい!」
話をしながら自販機に小銭を入れてピッとボタンを押す。先輩がかがんで飲料を取り出していると、自販機がピカピカ光りだした。
「先輩、当たってますよ!」
「え、マジで?ーーわっ、本当だ。押して押して!」
「えーどれですか!?」
あわあわと慌てて適当にボタンを押した。出てきたのはホットのミルクティー。
「それ飲まないからあげる!じゃあね」
「へ?あ、先輩!?」
慌てて走り去ってしまった。
***
「ーーっという経緯で、このミルクティーが私の手元にあるのです!」
教室に戻った私はさっきの出来事を2人に話し、ジャーンとミルクティーを見せびらかした。
「いらない物を体良く処分しただけだろ」
スマホをいじりながら話半分で聞いていた伊吹がケッと捻くれた笑いを浮かべて嫌味を吐く。
「違うも~ん!私に譲ってくれたんだも~ん」
「中学の時もよくジュースおごってくれたな~」
「ほら~やっぱり朔先輩は優しいんだよ~」
「新奈、この間から朔先輩にメロメロだね」
「だってね、初めて会った時キラキラしてたんだよ!笑顔も素敵だったしーー」
バンッと机を叩いて私を睨み付け、くっだらねぇとぼやいて教室を出て行った。
「なんで怒ってんの?」
「ん?あぁ、まぁ思春期だから」
「もしかして2日目?」
「そうかもね~バ○ァリンわけてあげたら?」
「……千晃って女子なの?」