大嫌いな王子様 ー後編ー

last ep. 大嫌いで大好きな王子様


「テメェいっそ留年しろ」

「え!それが彼女に言うセリフ!?」

「どうしようもねぇバカにはこれしか言う言葉ねぇよ」


ここは暁斗くんの家。
あれから時は過ぎ、クリスマスとお正月も無事終わり学年末前。


暁斗くんの家で、鬼悪魔コーチに勉強の指導を受けております。


いや、これでも頑張ってるつもりなんですけどね。
有難い?ことに、前より少し勉強のレベルが上がると暁斗くんの教えてくれる内容のレベルも上がってしまい、またわからない沼に落ちてしまうのです。


「これ、期末範囲超えてるし。てか、難し過ぎるし」

「テメェは大学に遊びに行くつもりか?なら行くな」


ひぃぃぃっ!!!
こっこわい!!!
でも仰る通り!!!
勉強しに行くのです!!!

「頑張ります…」

半べそでシャーペンを走らせる。



ビュオッ

暁斗くんが部屋の窓を開けたせいで、冬の冷たい風が入ってきた。

「さむ…」

鼻をツンとつく寒さ。


「空気の入れ替えも必要だろ?」

さっきまでの鬼悪魔モードはどこへやら。
可愛い笑顔で笑うんだから。


「いおの父さん、来月だっけ?帰ってくるの」

「うん。3月から一緒に暮らすよ」

「よかったな」

「うん…」

そう。
お父さんがとうとう帰ってくる。
狭いアパートだから、少し落ち着いたら引っ越そうって話しが進んでいる。


「暁斗くんは…卒業式の後すぐアメリカ行くんだよね?」

「あぁ」


一緒に過ごせるの、あと1ヶ月もない。


さみしい。。。


ハッ!!!いかんいかん!!
私は頭を横にブンブンと振った。


「ははっ!いお、ほんとそれよくするよなー。なに勝手に悩んでんの?」

「な、悩んでなんかないよ!」

なんでもお見通しだな、この人は。


「なぁ…いお」

「うん?」


暁斗くんが隣の椅子に座った。


「期末終わったらお互い試験休みあんだろ。旅行、行かね?」

ドキンッ…

前に約束してたこと。


「お、覚えててくれたの…?」

「は?当たり前だろ」


じゃ、じゃあ
あの“約束”も覚えてたり…!?


「顔赤い」

「ふぇっ!!?」

やっヤバイ!
顔に出てた!?

「やらしーこと考えてんだろ、伊織チャン?」

「ばっ!!違うもん!全く考えてないもん!!」

「ふーん」


ギシ…

気づけば暁斗くんが私の椅子に腰かけていた。
(お金持ちの家の椅子ってなんでこうも一つ一つ大きいのよー!!!)


「俺は考えてるよ…いや?」

ズルイ

「そんな聞き方…」

「教えて?いお」


暁斗くんはほんとズルイんだから。


「いや…じゃないもん」

「よかった…」


暁斗くんの優しいキスをこうして感じれるのも、あと少しだ。



——————————————

「暁斗くん!試験なんとか無事に終わって、赤点もないよ!」

「当たり前だ」

つ、つめたい!!
試験が返ってきて、すぐに暁斗くんに電話した。


「じゃ、ご褒美の旅行楽しむか」

「うん!!」


暁斗くんとの初めての、そしてドキドキの……(きっと大人の階段をのぼる)旅行が始まる!!!!



ーーーーーーーーーーーーーー


「で?勝手に妄想して興奮して頭オーバーヒートして倒れたと?」

「はい…」

「そこから看病してもらい、気づけば朝。朝食食べて残りの観光して帰ってきたと?」

「はい…」


御曹司くん・・・不憫っ!!!!!!!
涙出るわ!!!!


「あんた…最悪最低だね」

「わーん!みっちゃん!!そんなこと言わないでよー!!私が1番思ってるんだからー!!」

まぁ、伊織らしいっか。
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