【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
「いけませんわ、殿下! 殿下の健康診断のお時間を忘れていました! それでは、私と殿下はこれで!」
ぐいぐいと引っ張っていかれるマティス殿下。彼は、「おい、なんだそれは!」と声を荒げながらも、屋上から姿を消す。
扉が閉まる音が聞こえて、わたくしはただ呆然とするしかなかった。――そして、出てきたのは、笑いだった。
「ふっ、は、ぁ、あはははハハッ!」
ずるずるとしゃがみ込んで、髪の毛をくしゃりと握りしめ、自分を嘲るように笑う。
レグルスさまが、わたくしの前にしゃがみ込み、そっとハンカチを使って目元を拭った。
「わ、わたくし、バカみたい……!」
愛されたくて努力して、ずっと一位をキープしていたのに……わたくしの努力は、いったいなんだったの?
マティス殿下の言葉は、本当だと感じた。だって、そうじゃないと説明がつかないじゃない。
血の繋がりがないから、家族はわたくしを蔑ろにしたと――とても説得力のある言葉じゃない!
身体が震える。どうすればいいのかが、わからなかった。
いつも冷たい目で見られていた。誰も、わたくしのことを気にかけはしない――……
「ただ、認めてもらいたかった、だけなのに……!」
震えが止まらない。今までの努力がすべて、無駄なことのように感じた。
ぐいぐいと引っ張っていかれるマティス殿下。彼は、「おい、なんだそれは!」と声を荒げながらも、屋上から姿を消す。
扉が閉まる音が聞こえて、わたくしはただ呆然とするしかなかった。――そして、出てきたのは、笑いだった。
「ふっ、は、ぁ、あはははハハッ!」
ずるずるとしゃがみ込んで、髪の毛をくしゃりと握りしめ、自分を嘲るように笑う。
レグルスさまが、わたくしの前にしゃがみ込み、そっとハンカチを使って目元を拭った。
「わ、わたくし、バカみたい……!」
愛されたくて努力して、ずっと一位をキープしていたのに……わたくしの努力は、いったいなんだったの?
マティス殿下の言葉は、本当だと感じた。だって、そうじゃないと説明がつかないじゃない。
血の繋がりがないから、家族はわたくしを蔑ろにしたと――とても説得力のある言葉じゃない!
身体が震える。どうすればいいのかが、わからなかった。
いつも冷たい目で見られていた。誰も、わたくしのことを気にかけはしない――……
「ただ、認めてもらいたかった、だけなのに……!」
震えが止まらない。今までの努力がすべて、無駄なことのように感じた。