逢いたい。
1章 始まりと終わり

日常と過去

「ミーンミーン」










蝉の音が聞こえる。









10年前のあの時は、夏が大好きだったのに。









パパと過ごすイベントの多いこの夏が。









プールに入って水掛け合って。









奮発してお肉を買って、バーベキューして。









特別な気分になれちゃう浴衣を着て花火を見て。









いつからこんなにも嫌いな季節になったのだろう。









今の父は嫌いだ。嫌いだ。









でも、今となってはこんなことどうでもいい。









あー、死にたい。









死にたい。









しにたい。








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