落ちこぼれ悪魔の扱い方
「大丈夫、夜勤だからあんまり顔合わせることないし」

「そっか。それならまあ安心だね」

何はともあれ、咲子はほっとしたようだった。

「じゃあ悩んでたのって、同居が心配だったからなの?」

「うーん、それもあるんだけど……」

美弥は言いながらふと思い付く。


半分嘘だが同居人がいることは伝えたし、いっそのこと、咲子に相談してみたらどうだろう。


「実は……」

美弥は当たり障りのない言葉を探しながら、何とか上手く説明しようとする。

「相手の人が、ちょっと私のこと心配してて。私のことメンタル弱いって思ってるみたい」

「嘘、美弥ちゃんが? デスゲーム中に昼寝してそうなくらいタフなのに?」

どういう例えだよ。

「まあ、私、事情知らないと不幸な境遇に見えるでしょ? 父親の記憶失ってるから何とか平気ってだけで、肩書きだけ見れば普通に悲劇のヒロインだよね」

「ヒロインにしてはガサツで可愛げがないけど……」

そこは軽く聞き流してほしい。

美弥は笑顔が引きつるのを感じながら、「で、本題なんだけど」と続ける。
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