優しくしないで、好きって言って
小さな光
*
「お嬢様、正気ですか?」
「失礼ね、私はいつだって正気よ」
とある駐車場の一角。私は珍しく露骨に困惑の表情を浮かべた竜胆と対峙していた。
ドアは開けているものの未だ運転席に座っている竜胆を、逃さないと言わんばかりに外からじぃっと見つめる。
「パパとママに言いつけてもいいの?」
「……それは」
「なら、観念しなさい」
そう強く言い放つと、私は眉根を寄せるその人の黒いジャケットにそおっと手をかけた。