優しくしないで、好きって言って
あの日瑛大は既に私との婚約話を知っていたのよね?
なのに、合コンに参加してたってどういうこと!?
「……あのさ、七瀬」
「へ?」
急に呼びかけられ、精神世界から帰還する。
すると、なんだか少し恥ずかしそうに頬を赤らめた実玖留が私を見つめていた。
「実はね、七瀬にちょっとお願いがあるんだけど……」
***
「? なにかいいことでもあったんですか」
「んふふー、ちょっとね〜」
放課後の車内。
ルームミラー越しに合った竜胆の瞳に、私はウインクを返した。