本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます ~side story ~

※川口直人 48

――深夜

俺と鈴音はベッドの上で裸で抱き合っていた。

「あっ……はぁんっ……んっんんっ……」

薄暗い部屋で、鈴音の甘い声が響く。白い肌が快感で震えている……その姿はゾクリとするほど美しかった。

「鈴音……鈴音……好きだ……」

深いキスをしながら、鈴音の中を往復する。

「わ、私も……直人さんが……ああっ!」

一番鈴音が感じるところを突き上げたからだろう。鈴音が締め付けてきた。

「うっ……!」

快感で危うく熱を吐き出しそうになるところを、動かずに鈴音を抱きしめたまま必死に耐える。
けれども鈴音の中はまるで強請るように絡みつく。本当に、何て感度がいいのだろう。

「あぁぁ……んっ……な、直人さ……んんっ」

俺に必死にしがみ付いて震える鈴音。

「鈴音……愛している……」

舌を鈴音の甘い口の中に入れると、自ら舌を差し出してくれる。その舌を吸い上げながら、再び鈴音の中で腰を動かす。

「や……だ、駄目ぇ……ま、まだ動いちゃ……ああぁぁんっ!」

再び鈴音が甘い声で鳴き、先程以上に締め付けらる。

「す……鈴音……」

深い快感に酔いしれながら……鈴音の中で果てた――



****


 2人の恋人関係は順調だった。

 最初のデートは鈴音の希望通りディズニーランドへ行って、ホテルにも泊まった。
車をレンタルして高尾山にも当然行った。
温泉が好きな俺と鈴音は休みを合わせて、2人で箱根の温泉旅館に泊まりに行った事もあった。そして旅行に行けないときは入浴剤を入れたお風呂に一緒に入って温泉気分を味わった。
毎日必ず電話で話をしたし、週に2回は2人で一晩一緒に過ごした。そのほとんどが俺の部屋だったけれども、時には鈴音の部屋だった事もある。

 身体の関係もそうだった。以前までの鈴音は恥ずかしがっていた部分があったけれども今ではすんなり俺を受け入れてくれるようになってくれていた。それが何より嬉しかった。身体を重ねる度に2人の絆が深まっていくようで……もう俺は鈴音のいない生活は考えられなくなっていた。

全てが順調にいっていた……はずだった――

****

 11月のある日の事。

今日は鈴音が実家に泊まる事になっていたので、久しぶりに友人たちと居酒屋に来ていた。

「おい、川口。お前最近付き合い悪いじゃないか」

林がビールを飲みながら絡んできた。

「あ~悪い。ちょっと色々あってさ」

ハイボールを飲みながら返事をした。

「そうか……分った! 女だなっ! お前、女が出来ただろうっ!?」

工藤が唐揚げを食べながら指さしてくる。

「あ、ああ……実はそうなんだ……」

少し照れくさそうに言うと林が肩に腕を回してきた。

「おい、誰なんだよ? まさかすみれじゃないよな?」

「冗談じゃないっ! そんなはずあるかっ!」

今でも月に4~5回連絡が届くことがあるが、全て無視している。

「一体、相手はどんな女なんだよ?」

工藤が尋ねてくる。

「以前、俺が話した事覚えているか? 酷い交通事故に遭った人物がいたって……」

「ああ、そう言えばそんな話したな。確かお前の一方的な片思いだって……え!? ま、まさか……?」

林が俺を指さした。

「あ、ああ……お陰様で恋人同士になれたんだ」

少し照れくさそうに笑うと……。

「おい! 川口っ!」

急に工藤が俺の胸倉を掴んできた。

「うわっ! な、何だよっ!?」

「彼女の写真……持ってるんだろう? 見せろよっ!」

「そうだそうだっ! お前ほどの男が落とすのに苦労したってどんな女なんだよっ!」

工藤と林が交互に迫ってくる。

「わ、分ったよ……写真見せればいいんだろう……?」

俺は渋々スマホを取り出すと鈴音の映っている写真をタップした。

ごめん……鈴音……。

心の中で鈴音に謝罪しながらスマホを見せた。

「ほら。これが彼女さ」

2人の前にディズニーランドへ行った時の写真を見せた。それはシンデレラ城の花壇の前で鈴音を撮影したものだった。

「えっ!? こ、これが彼女かっ!?」
「まじかよっ! すっげー美人じゃないかっ!!」

林と工藤が口々に言う。
友人2人から見ても鈴音はやっぱり美人なんだろう。

「お、おい。本当に一般人なのか?」
「そうだ! 本当はモデルとかなんじゃないか?」

2人とも興奮気味に言うが俺は首を振った。

「いいや、正真正銘の一般人だ。旅行代理店で働いている」

「マジかよ。く~っ! 羨ましいなぁ~! ずるいぞっ! お前ばかりっ!」

林が心底悔しそうにしている。

「馬鹿な事言うなよ。恋人になって貰う為にどれだけ俺が苦労したと思ってるんだ? でも俺は今最高に幸せだよ。何と言っても性格もすごくいいんだ。優しいし、家事も得意だし……」

いつの間にかのろけ話になり、しまいには2人に呆れられる有様だった。
この時の俺は本当に幸せだった。

だから気付かなかった。

父の会社が大変な目に遭っていたなんて――


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