本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます ~side story ~
亮平 36
翌日19時――
新宿西口の改札で俺は川口が来るのを待っていた。電話ではあまり話すことが出来ないと言われ、川口に新宿で会おうと言われたからだ。
川口に対する怒りがピークに達していた。
会って冷静でいられる自身が無かった。そこで気分を落ち着ける為に深呼吸をしたその時――
「お待たせ」
背後から突然声をかけられた。
川口っ!
「来たか……」
俺は川口を睨みつけた。
「……待たせたか……?」
川口は困ったように俺を見た。その姿はいつも見慣れた普段着ではなく……スーツ姿だった――
****
「あまり人目につきたくないんだ」
肩をすくめて言う川口に連れられてやってきたのは駅前の雑居ビルの1Fにある喫茶店だった。なるべく目立たない席がいいと言われ、俺たちが座ったのは壁際の一番奥の壁際のテーブル席だった。
そして川口は店内に置かれた観葉植物を勝手に動かして俺たちの座るテーブル席の近くに置いてしまった。こいつ……何故こんな人目を避けるような行動を取っているんだ。いや、それより……。
「おい、いいのかよ。勝手に動かしたりして」
「店を出るときには元に戻すから構うこと無いさ」
やがて俺たちの席に注文を取りに女性店員がやってきた。
「ご注文は何になさいますか?」
「俺はホットコーヒーにするけど……」
「ああ、俺もそれでいい」
腕組みして頷く。
「ではホットコーヒー2つお願いします」
川口が注文を頼んだ。
「かしこまりました」
女性店員はうなずき、一瞬ちらりと観葉植物に目をやり、首を傾げながら店内の奥へと消えていった。
「ほらね。意外とお咎めされないものなのさ」
「そうか……。それじゃ早速説明してもらうか」
川口を睨みつけた。
「分かってるよ……その為に俺もここへ来たわけだし」
そして川口は突然テーブルに両手を置くと、頭を下げてきた。
「……本当にすまなかった」
その姿に苛立ちが募る。
「おい、顔上げろよ。謝るのは俺じゃない。鈴音にだろう!?」
思わず声がおおきくなってしまう。しかし、川口は首を振った。
「駄目だ……俺はもう鈴音に会うことは出来ないんだ。電話も……メールだって……」
川口は苦しげに言う。
「何でだよ!? 勝手に黙って鈴音の前から姿を消して! 大体、いつあのマンションを引っ越したんだよ!」
「引っ越しは……今から1週間以上前だよ」
「な、何だって……? お前、やっぱりずっと前から鈴音と別れるつもりだったんだな?」
何て奴だ……! たった数ヶ月の遊び相手だったのか? しかもクリスマス直前に黙って去るなんて……最低だ!
「違うっ! 俺は……鈴音と別れたくなんか……無かったんだ……」
川口は今にも泣きそうに顔を歪めている。
「今だって本当は会いたくてたまらない。声を聞きたい……そばにいたい……だけどもう無理なんだ。こうしている今だって、俺は……何処で監視されているか分からないから……」
川口は顔を覆った。
「な……何だって? 監視……?」
俺はその言葉に耳を疑った。
「ああ、そうだよ。俺はずっと……監視されているんだ。鈴音に決して会わないように婚約者に命じられているからね。スマホだってチェックされている」
淡々と話す川口の言葉はどれも信じられない内容ばかりだった。
監視? 婚約者……スマホのチェック……?
「お、お前……一体、何があったんだよ……」
俺は震えながら川口に尋ねた――
新宿西口の改札で俺は川口が来るのを待っていた。電話ではあまり話すことが出来ないと言われ、川口に新宿で会おうと言われたからだ。
川口に対する怒りがピークに達していた。
会って冷静でいられる自身が無かった。そこで気分を落ち着ける為に深呼吸をしたその時――
「お待たせ」
背後から突然声をかけられた。
川口っ!
「来たか……」
俺は川口を睨みつけた。
「……待たせたか……?」
川口は困ったように俺を見た。その姿はいつも見慣れた普段着ではなく……スーツ姿だった――
****
「あまり人目につきたくないんだ」
肩をすくめて言う川口に連れられてやってきたのは駅前の雑居ビルの1Fにある喫茶店だった。なるべく目立たない席がいいと言われ、俺たちが座ったのは壁際の一番奥の壁際のテーブル席だった。
そして川口は店内に置かれた観葉植物を勝手に動かして俺たちの座るテーブル席の近くに置いてしまった。こいつ……何故こんな人目を避けるような行動を取っているんだ。いや、それより……。
「おい、いいのかよ。勝手に動かしたりして」
「店を出るときには元に戻すから構うこと無いさ」
やがて俺たちの席に注文を取りに女性店員がやってきた。
「ご注文は何になさいますか?」
「俺はホットコーヒーにするけど……」
「ああ、俺もそれでいい」
腕組みして頷く。
「ではホットコーヒー2つお願いします」
川口が注文を頼んだ。
「かしこまりました」
女性店員はうなずき、一瞬ちらりと観葉植物に目をやり、首を傾げながら店内の奥へと消えていった。
「ほらね。意外とお咎めされないものなのさ」
「そうか……。それじゃ早速説明してもらうか」
川口を睨みつけた。
「分かってるよ……その為に俺もここへ来たわけだし」
そして川口は突然テーブルに両手を置くと、頭を下げてきた。
「……本当にすまなかった」
その姿に苛立ちが募る。
「おい、顔上げろよ。謝るのは俺じゃない。鈴音にだろう!?」
思わず声がおおきくなってしまう。しかし、川口は首を振った。
「駄目だ……俺はもう鈴音に会うことは出来ないんだ。電話も……メールだって……」
川口は苦しげに言う。
「何でだよ!? 勝手に黙って鈴音の前から姿を消して! 大体、いつあのマンションを引っ越したんだよ!」
「引っ越しは……今から1週間以上前だよ」
「な、何だって……? お前、やっぱりずっと前から鈴音と別れるつもりだったんだな?」
何て奴だ……! たった数ヶ月の遊び相手だったのか? しかもクリスマス直前に黙って去るなんて……最低だ!
「違うっ! 俺は……鈴音と別れたくなんか……無かったんだ……」
川口は今にも泣きそうに顔を歪めている。
「今だって本当は会いたくてたまらない。声を聞きたい……そばにいたい……だけどもう無理なんだ。こうしている今だって、俺は……何処で監視されているか分からないから……」
川口は顔を覆った。
「な……何だって? 監視……?」
俺はその言葉に耳を疑った。
「ああ、そうだよ。俺はずっと……監視されているんだ。鈴音に決して会わないように婚約者に命じられているからね。スマホだってチェックされている」
淡々と話す川口の言葉はどれも信じられない内容ばかりだった。
監視? 婚約者……スマホのチェック……?
「お、お前……一体、何があったんだよ……」
俺は震えながら川口に尋ねた――