本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます ~side story ~
亮平 50
川口……あいつは可愛そうな奴だ。俺は本気で川口に同情し始めていた。
何とか力になってやれないだろうか……?
****
――夜
鈴音と2人でスーパー銭湯の食堂に来ていた。
鈴音は俺が強引に頼んだ『ミックスフライ定食』に不満があるのか、メニュー表を口を尖らせながら見ている。その姿すらとても可愛かった。
一体、俺はどうしてしまったのだろう? 今は鈴音のどんな姿を見ても可愛らしいと思うようになっているのだから。
俺と鈴音は恋人同士ではないが、幼馴染としてこうしていつでも気軽に会おうと思えば会える…なの川口は鈴音と恋人同士だったのに、強引にあの忌々しい女によって強引に引き離されてしまったのだ。川口は今どうしているのだろう…?
よし、一度電話をかけてみるか。
先程から鈴音と会話をしていたが、話題を変えた。
「ほら、後アルコールも注文しようぜ。何にする?」
「それじゃ、グレープフルーツサワーにするよ」
鈴音は本当に柑橘系のお酒が好きだな。
「よしきた。俺は当然生ビールだな。食券買ってくる。待ってろよ」
食券を買いに行くついでに川口に電話を入れてみよう。立ち上がると鈴音が声をかけてきた。
「あ、待って! 亮平」
「何だ?」
「ミックスフライだけにして。ごはん抜きで」
真剣な顔で俺に言う。余程食べきれる自信がないのだろうな。
「分かったよ」
それだけ言うと俺は食券売り場に向かうふりをして、食堂を出た。
トゥルルルルル……
トゥルルルルル……
10コール目でも川口は一向に電話に出ない。
「何だよ……っ! 折角電話しているって言うのに。早く戻らなくちゃ鈴音に変に思われてしまうじゃないか」
それでも川口は電話に出ない。
「仕方ない……切るか」
電話を切ると食券売り場へと向かった――
****
テーブル席に戻ると鈴音は手持無沙汰な感じで俺を待っていた。水差しからコップに水を注いで飲んでいる鈴音を見ながら俺は尋ねた。
「ところで鈴音。お前……また別の男から告白されたんだって?」
「な!? ゴホッ! ゴホッ!」
「お、おい。大丈夫か?」
慌てて鈴音に声をかける。電話で忍から鈴音が告白されたことを聞かされていたのだ。忍の話では優しくて感じの良い男性だったらしい。まさか鈴音の奴、その男と交際するつもりじゃないだろうな……?
鈴音と会話をしながら探りを入れる。
そうこうしているうちに料理の出来上がりを知らせるアラームが鳴りだしたので鈴音と2人で取りに行く事にした――
****
「それで、さっきの話の続きだけどな……」
目の前で料理を食べている鈴音に話しかけた。鈴音は何の話なのか忘れてしまったみたいで首を傾げる。そこで俺は職場の先輩から告白を受けた話の続きを持ちかけた。鈴音はあまりこの話に触れたがらなかったが、そうはいかない。俺は今川口に酷く同情していたからだ。今の鈴音はどこか危うい。失恋のさみしさを紛らわせる為に、強引に迫られたら付き合ってしまう恐れがあるように思えた。それに忍は動画の男との交際を賛成していた。
だが……。
「俺は……反対だ」
ぼそりと鈴音に言った。鈴音は何故会社の人間と付き合ってはいけないのかを尋ねてきたのだ。だから俺は自分が経験すらしていない、嘘の社内恋愛の話をした。俺自身は社内恋愛の経験は一度も無かったので、友人が経験した話をしたのだ。鈴音は俺の話を感心したように聞いている。だが、流石にでっち上げの話しには限界がある。そこで俺は2人でアルコールを追加して飲みながら話してやると言うと、鈴音は渋々承知した。
そして今回鈴音が注文したのは梅サワーだった。あまりにもおっさん臭いアルコールだったので、笑うと今度はゆずサワーを注文してきた。俺の笑いが気にくわなかったのか、鈴音が言った。
「別にいいじゃない。酸っぱいの飲みたいんだから」
何だって?
「何? その顔」
鈴音が不思議そうに俺を見る。
酸っぱいものが飲みたいなんて、まさか……!
「お、お前……ひょっとして……妊娠してるのか!?」
気付けば俺は大き声で鈴音に質問をぶつけていた――
何とか力になってやれないだろうか……?
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――夜
鈴音と2人でスーパー銭湯の食堂に来ていた。
鈴音は俺が強引に頼んだ『ミックスフライ定食』に不満があるのか、メニュー表を口を尖らせながら見ている。その姿すらとても可愛かった。
一体、俺はどうしてしまったのだろう? 今は鈴音のどんな姿を見ても可愛らしいと思うようになっているのだから。
俺と鈴音は恋人同士ではないが、幼馴染としてこうしていつでも気軽に会おうと思えば会える…なの川口は鈴音と恋人同士だったのに、強引にあの忌々しい女によって強引に引き離されてしまったのだ。川口は今どうしているのだろう…?
よし、一度電話をかけてみるか。
先程から鈴音と会話をしていたが、話題を変えた。
「ほら、後アルコールも注文しようぜ。何にする?」
「それじゃ、グレープフルーツサワーにするよ」
鈴音は本当に柑橘系のお酒が好きだな。
「よしきた。俺は当然生ビールだな。食券買ってくる。待ってろよ」
食券を買いに行くついでに川口に電話を入れてみよう。立ち上がると鈴音が声をかけてきた。
「あ、待って! 亮平」
「何だ?」
「ミックスフライだけにして。ごはん抜きで」
真剣な顔で俺に言う。余程食べきれる自信がないのだろうな。
「分かったよ」
それだけ言うと俺は食券売り場に向かうふりをして、食堂を出た。
トゥルルルルル……
トゥルルルルル……
10コール目でも川口は一向に電話に出ない。
「何だよ……っ! 折角電話しているって言うのに。早く戻らなくちゃ鈴音に変に思われてしまうじゃないか」
それでも川口は電話に出ない。
「仕方ない……切るか」
電話を切ると食券売り場へと向かった――
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テーブル席に戻ると鈴音は手持無沙汰な感じで俺を待っていた。水差しからコップに水を注いで飲んでいる鈴音を見ながら俺は尋ねた。
「ところで鈴音。お前……また別の男から告白されたんだって?」
「な!? ゴホッ! ゴホッ!」
「お、おい。大丈夫か?」
慌てて鈴音に声をかける。電話で忍から鈴音が告白されたことを聞かされていたのだ。忍の話では優しくて感じの良い男性だったらしい。まさか鈴音の奴、その男と交際するつもりじゃないだろうな……?
鈴音と会話をしながら探りを入れる。
そうこうしているうちに料理の出来上がりを知らせるアラームが鳴りだしたので鈴音と2人で取りに行く事にした――
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「それで、さっきの話の続きだけどな……」
目の前で料理を食べている鈴音に話しかけた。鈴音は何の話なのか忘れてしまったみたいで首を傾げる。そこで俺は職場の先輩から告白を受けた話の続きを持ちかけた。鈴音はあまりこの話に触れたがらなかったが、そうはいかない。俺は今川口に酷く同情していたからだ。今の鈴音はどこか危うい。失恋のさみしさを紛らわせる為に、強引に迫られたら付き合ってしまう恐れがあるように思えた。それに忍は動画の男との交際を賛成していた。
だが……。
「俺は……反対だ」
ぼそりと鈴音に言った。鈴音は何故会社の人間と付き合ってはいけないのかを尋ねてきたのだ。だから俺は自分が経験すらしていない、嘘の社内恋愛の話をした。俺自身は社内恋愛の経験は一度も無かったので、友人が経験した話をしたのだ。鈴音は俺の話を感心したように聞いている。だが、流石にでっち上げの話しには限界がある。そこで俺は2人でアルコールを追加して飲みながら話してやると言うと、鈴音は渋々承知した。
そして今回鈴音が注文したのは梅サワーだった。あまりにもおっさん臭いアルコールだったので、笑うと今度はゆずサワーを注文してきた。俺の笑いが気にくわなかったのか、鈴音が言った。
「別にいいじゃない。酸っぱいの飲みたいんだから」
何だって?
「何? その顔」
鈴音が不思議そうに俺を見る。
酸っぱいものが飲みたいなんて、まさか……!
「お、お前……ひょっとして……妊娠してるのか!?」
気付けば俺は大き声で鈴音に質問をぶつけていた――