本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます ~side story ~
川口直人 9
そうか……加藤さんはアロマグッズが欲しいのか。
なら、もう迷う事は無かった。加藤さんが勧めてくれたアルマグッズを手にすると早速レジへと向かい、商品を購入した。
「いらっしゃいませ。ご自宅用ですか? それともプレゼント用ですか?」
女性店員が尋ねてくる。
「プレゼント用でお願いします」
「かしこまりました。それではどの包装紙に致しますか?」
包装紙の見本をいくつか見せられ、淡い水色に羽の模様が描かれた包装紙にした。何となく加藤さんのイメージに見えたからだ。リボンは赤を選び、待つこと約5分――
「お待たせ致しました」
綺麗にラッピングされた商品を紙袋に入れて手渡された。
「どうも」
「ありがとうございました」
商品を受け取ると、急いで加藤さんの元へ向かった。
先程の売り場では加藤さんが熱心にアロマグッズコーナーを見ている。……本当にアロマグッズが好きなんだな……。
「お待たせしました」
「買えましたね。それじゃ帰りましょうか?」
何も知らない加藤さんは笑って俺を見た。
「……ええ。そうですね」
このプレゼントを渡したら、加藤さんは一体どんな気持ちで俺を見るだろうか……?
店を出た後、2人で商店街を歩ていると列をなしている店が目に留まった。
「あれは何のお店でしょうね? 行列が出来てますよ?」
まだこの界隈に詳しくない加藤さんが尋ねてくる。
「あれは、お蕎麦屋さんですね」
「お蕎麦屋さんかぁ。そう言えば今日は大晦日ですからね」
大晦日と言えば年越しそばだ。……どうしよう。思い切って誘ってみようか……?
「加藤さん。もしよければ一緒にお蕎麦を食べて帰りませんか? 今日は大晦日だし、年はまだ越さないけど年越しそばとして」
断られたりしないだろうか……? 緊張しながら尋ねた。
「いいですね、では一緒に食べて帰りましょう」
まさか誘いを受けてくれるなんて。
「はい!」
満面の笑みを浮かべて俺は返事をした。
****
蕎麦屋の帰り道 。
加藤さんにプレゼントを渡せる機会をうかがっていた。もう間もなく、マンションが見えて来てしまう……。早く、早く声をかけてプレゼントを渡さなければ……。
少しの間、無言で歩いていたが、不意に前を歩く加藤さんが満月を見ながら話しかけて来た。
「美味しいお蕎麦屋さんでしたね~」
よし……今、プレゼントを渡すんだ。
「そうですね。一緒に食事が出来て良かったです」
「え?」
加藤さんが振り向いて俺を見た。
「実は俺、本当は彼女なんかいません。3日前に別れたばかりなんです」
嘘だ、本当は何カ月も前に別れている。ただ未だにすみれからは一方的に連絡が来ている。それが3日前の事だった。
「え……?」
加藤さんが目を瞬いた。
「これ……俺からの引っ越し祝いのプレゼントです。受け取って下さい!」
咄嗟に引っ越し祝いという言葉が口をついて出てきた。
「あ、あの……?」
途惑う加藤さんに有無を言わさず、手にしていた紙バッグを押し付けた。驚いた顔を見せながらも、はずみで受け取ってしまう加藤さん。
その姿を見届けると、俺は無言でマンションへ向かって走り始めた――
なら、もう迷う事は無かった。加藤さんが勧めてくれたアルマグッズを手にすると早速レジへと向かい、商品を購入した。
「いらっしゃいませ。ご自宅用ですか? それともプレゼント用ですか?」
女性店員が尋ねてくる。
「プレゼント用でお願いします」
「かしこまりました。それではどの包装紙に致しますか?」
包装紙の見本をいくつか見せられ、淡い水色に羽の模様が描かれた包装紙にした。何となく加藤さんのイメージに見えたからだ。リボンは赤を選び、待つこと約5分――
「お待たせ致しました」
綺麗にラッピングされた商品を紙袋に入れて手渡された。
「どうも」
「ありがとうございました」
商品を受け取ると、急いで加藤さんの元へ向かった。
先程の売り場では加藤さんが熱心にアロマグッズコーナーを見ている。……本当にアロマグッズが好きなんだな……。
「お待たせしました」
「買えましたね。それじゃ帰りましょうか?」
何も知らない加藤さんは笑って俺を見た。
「……ええ。そうですね」
このプレゼントを渡したら、加藤さんは一体どんな気持ちで俺を見るだろうか……?
店を出た後、2人で商店街を歩ていると列をなしている店が目に留まった。
「あれは何のお店でしょうね? 行列が出来てますよ?」
まだこの界隈に詳しくない加藤さんが尋ねてくる。
「あれは、お蕎麦屋さんですね」
「お蕎麦屋さんかぁ。そう言えば今日は大晦日ですからね」
大晦日と言えば年越しそばだ。……どうしよう。思い切って誘ってみようか……?
「加藤さん。もしよければ一緒にお蕎麦を食べて帰りませんか? 今日は大晦日だし、年はまだ越さないけど年越しそばとして」
断られたりしないだろうか……? 緊張しながら尋ねた。
「いいですね、では一緒に食べて帰りましょう」
まさか誘いを受けてくれるなんて。
「はい!」
満面の笑みを浮かべて俺は返事をした。
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蕎麦屋の帰り道 。
加藤さんにプレゼントを渡せる機会をうかがっていた。もう間もなく、マンションが見えて来てしまう……。早く、早く声をかけてプレゼントを渡さなければ……。
少しの間、無言で歩いていたが、不意に前を歩く加藤さんが満月を見ながら話しかけて来た。
「美味しいお蕎麦屋さんでしたね~」
よし……今、プレゼントを渡すんだ。
「そうですね。一緒に食事が出来て良かったです」
「え?」
加藤さんが振り向いて俺を見た。
「実は俺、本当は彼女なんかいません。3日前に別れたばかりなんです」
嘘だ、本当は何カ月も前に別れている。ただ未だにすみれからは一方的に連絡が来ている。それが3日前の事だった。
「え……?」
加藤さんが目を瞬いた。
「これ……俺からの引っ越し祝いのプレゼントです。受け取って下さい!」
咄嗟に引っ越し祝いという言葉が口をついて出てきた。
「あ、あの……?」
途惑う加藤さんに有無を言わさず、手にしていた紙バッグを押し付けた。驚いた顔を見せながらも、はずみで受け取ってしまう加藤さん。
その姿を見届けると、俺は無言でマンションへ向かって走り始めた――