【完結】失恋したら有名シェフが私を溺愛包囲網で包み込みます。
「ねえ、いっぱい食べて元気になろうね」
この子が産まれたら、私たちの未来はもっともっと明るくなる。
二人から三人になって、もっともっと楽しくなる。 私たちにとって大切な宝物は、この子だから。
産まれてくるこの子だけは、幸せにしたい。産まれてきたことを良かったって思えるように、頑張っていきたい。
思えば、三回目の妊娠がわかった時、私は怖かった。また流産してしまうのではないか、と不安になってしまった。
そんな時に隣にいてくれたのは、翡翠で。私のことを一番に気遣ってくれた。
私は妊娠しても赤ちゃん産めない身体なのではないか、そう思って先生に相談したこともあった。
だけど三回目の妊娠の怖さはなかなか拭えなくて、眠れない夜を幾度となく過ごした。
そんな時はいつも翡翠が安心させてくれていた。私は翡翠に感謝しかない。
一度、二度と経験したつわりが治まって安定期に入ってくれた時の喜びは、計り知れなかった。
赤ちゃんが何よりも、頑張ってくれていたことを思って二人で泣いたこともあった。
でも今は、一日でも早くこの子に会いたい。その気持ちを胸に一日一日を過ごしている。
大好きな翡翠と、こうしてお店を増やすことが出来て、そして新しい家族も増えて。
私たちの未来は、案外充実している気がする。 二人で何があっても乗り越えられるって、わかったから。
「さ、開店初日だね。……頑張れ、翡翠」
今日が、翡翠にとっていい日になりますようにーーー。
【THE END】


