【完結】失恋したら有名シェフが私を溺愛包囲網で包み込みます。


「フラレたって……あの時、まだ関係続いてたんだよね?」

「その後すぐに、アイツから別れを切り出された」
 
 ははは……。ざまあみろ。私を傷つけたバツよ。
 
「だから豊佳」

「……なに?」

 龍樹は私の頬に触れると、「また俺とやり直してくれよ」と私に言う。

「もうセフレはいない。 だから頼む、俺とまたやり直してくれ、豊佳」

「っ……ふざけるのもいい加減にしてよねっ!」

 私は龍樹のお腹を思い切り殴ると、龍樹は「いってぇ……!」とうずくまる。

「おい。何すんだよ、てめぇ!」

 怒鳴る龍樹に、私は怒りがおさまらず「アンタ、本当にいい加減にしてよねっ! セフレと別れたからなに?私にそんなこと関係ある!?」と龍樹に怒鳴り付けた。

「と、豊佳……なに怒ってんだよ?」

「あのさ、未練たらしい。私もうアンタに未練なんてないから!」

「と、豊佳……? 俺のこと、好きだって言ってたよな?あれはウソなのか?」  

 はあ……未練たらしい。マジで見てるとイラつくな……。
 
「私、未練たらしい男は嫌いなの。 それに私、もう新しい彼氏がいるから」

「は……? 彼氏?」

 龍樹の表情が急に変わりだした。  

「そう。私、もう新しい彼がいるの。だから、龍樹とやり直すことはもう二度とない」

「豊佳、冗談……だよな?」

「この場で冗談なんか言うと思う? 私はもう龍樹とやり直すこともないし、やり直すつもりはない。……いい加減、私に付き纏うのはもうやめて」
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