日陰令嬢は常に姿を消して生活したい~あれ?私って転生者?陰から皆さんをお守りいたします。

 思わず令嬢らしくない声を漏らしてしまった。しかしそれは仕方が無いと思う。だって今まで殿下達に見つからないようにと過ごしていたのに、三人に引き合わせるとはどういうことなのか……。

 私が考えあぐねいていると、お父様は苦虫を噛み潰したような顔をこちらに向けてきた。

「陛下はお前を三人の中の一人と、婚約させたいようだ」

「ええーーっ!どうしてですか?!」

「それはお前の能力『先見の明』のせいだな。この能力を外に出したくないのだろう。そのため三人の中でもアーサー殿下との婚約を望んでいる」

 アーサー殿下との婚約……。

 その時、ぶわっと頭の中に文字が浮かび上がった。

 『リリーナ嬢、あなたを守り抜き、幸せにする』

 そう言いながらリリーナ嬢の前で膝を付く騎士様はアーサー殿下……。

「……リア……アメリア!」

 何度も私の名前を呼んでくれていたであろうお父様が、焦った顔をこちらに向けていた。

「お父様、アーサー殿下との婚姻は出来かねます。アーサー殿下の隣にはリリーナ嬢という女性が立っております」

「なっ……それは『先見の明』か?」

「はい。二人は6年後、私達が16歳となる年に魔王を倒し、国を導きます」

「アメリア、それは確かか?」

「おそらく……以前にもお話しした通り、魔王は復活いたします。そして討伐には二人が向かうと思われます」

「そうか、これは他言無用だ。すぐに陛下の元に向かう」

「承知いたしました」


< 10 / 104 >

この作品をシェア

pagetop