日陰令嬢は常に姿を消して生活したい~あれ?私って転生者?陰から皆さんをお守りいたします。
思わず令嬢らしくない声を漏らしてしまった。しかしそれは仕方が無いと思う。だって今まで殿下達に見つからないようにと過ごしていたのに、三人に引き合わせるとはどういうことなのか……。
私が考えあぐねいていると、お父様は苦虫を噛み潰したような顔をこちらに向けてきた。
「陛下はお前を三人の中の一人と、婚約させたいようだ」
「ええーーっ!どうしてですか?!」
「それはお前の能力『先見の明』のせいだな。この能力を外に出したくないのだろう。そのため三人の中でもアーサー殿下との婚約を望んでいる」
アーサー殿下との婚約……。
その時、ぶわっと頭の中に文字が浮かび上がった。
『リリーナ嬢、あなたを守り抜き、幸せにする』
そう言いながらリリーナ嬢の前で膝を付く騎士様はアーサー殿下……。
「……リア……アメリア!」
何度も私の名前を呼んでくれていたであろうお父様が、焦った顔をこちらに向けていた。
「お父様、アーサー殿下との婚姻は出来かねます。アーサー殿下の隣にはリリーナ嬢という女性が立っております」
「なっ……それは『先見の明』か?」
「はい。二人は6年後、私達が16歳となる年に魔王を倒し、国を導きます」
「アメリア、それは確かか?」
「おそらく……以前にもお話しした通り、魔王は復活いたします。そして討伐には二人が向かうと思われます」
「そうか、これは他言無用だ。すぐに陛下の元に向かう」
「承知いたしました」