Summer Love

俺は、教師故にーー。  修先生目線


純奈からの電話を一方的に切られた俺。



「修先生、時間ですよ……」



気まずそうに声をかけてきた、同僚の声を掠めて俺は体育館へ向かう。



それぞれ重たい空気を放っているのは、俺が辞めるといい出したからだろう。



海の家「クローバー」を飛び出した矢先、俺は車を飛ばしながら生徒達の顔を思い浮かべた。



恋愛の事を何も知らない友香。



マイペースで振り回されない軸を持っている百合。


キザな態度だったが、優しい一面を持つ零。



バカだが良いやつで、ムードメーカーな隼人。



そして、純粋無垢な純奈。




本当はもっと、教師をやってこいつらとずっと一緒にいたいって願った。



だけど自分の未熟さ故に、今回の事件によって将来ある生徒をここまで追い詰めてしまったらと考えたらーーー辞めざるを得なかった。



校長に学校に乗り込んで、直々に辞退書を書くだなんて想像もしてなかった。



ずっと一緒にいたいという気持ちと、生徒を傷つけたくないという気持ちがごちゃ混ぜになってどうしていいか分からない。




でも………俺は、俺が出来る最善の役割はーーー教師を辞めて、生徒達の幸せを願う………それしか出来ないって悟った。





体育館前に着く。



俺はこれから、辞める理由を言わなければならい。



沢山の生徒達の未来の為に、俺は出来ることをやろう。


扉を開く。



皆が俺を見る。


全校集会で俺の事を全て話し終えたらしい。


純奈との関係も、俺がどうして辞める原因もだ。



失望、怒り、悲しみ。

< 114 / 124 >

この作品をシェア

pagetop