Secret Love 〜カリスマ美容師は幼なじみの年下アイドルを溺愛する〜
手加減できねぇから
8月末には真綾はミス日本のファイナリストに残ることができていて、勉強会などに出席していた。
9月も終わりに近づいてきていて、今日は怜央のオフの日、真綾はファイナリスト審査までの1ヶ月の多大なる協力のお礼に豪華弁当を作ってきていた。
「どうした、元気ないな」
「あー、うん、乙葉が心配で」
「ニュースは見た」
「昨日お見舞いに行ってみたんだけど会えなかった」
「そっか」
ご馳走様と言って箸を置いた。
「爽平にぃが責任を感じちゃって」
「何で?」
「私のモデルデビューの日、ちょっと体調悪いって言ってたんだって、2日後に病院に行くとは言ってたらしいんだけど、しんどいなら休んで良かったのにって」
「でも2日後には行ったんだから爽平さんのせいじゃないよ、貧血が酷かったと発表されてたな、早く回復するといいな…」
「うん」
怜央は横になった。
「俺でもバテ気味、学祭入れすぎだよ、暑いんだよな、まだ暫く続くしな」
「怜央さんがつぼみ組に帯同したの?」
「ああ、亜美と2人でな」
「亜美さん?」
「あぁ、NUAGE(ニュアージュ)の初期メンバーだよ、俺と同期」
泊まりも確か何度かあったよね。
気になる、下の名前呼びなんて…
「同期がいるんだ、えーっと可愛い?」
「はあ?知らね、仕事だ」
怜央は真綾に背中を向けた。
「ごめんなさい」
食べ終えたお弁当のパックをナイロン袋に入れてキッチンのゴミ袋へ入れた。
怜央は背を向けたままだ。
「トイレ借りるね」
真綾は下に降りてトイレへ入った。
あー、もうバカだ私…怜央さんも疲れていてバテ気味って聞いたばっかりなのに名前呼びの人を聞くだけで不安になる。