キラキラ王子様は最強女子にご執心らしい。
そして……メイドたちの方へ視線を向けると、腰が抜けたのかその場にヘタリと座り込んでいた。



「だ、大丈夫、ですか?」


玲奈と関係はあまりよくないし、心配する理由なんかないと言いそうになるも口を閉じた。


メイドの方へと駆け寄って行く玲奈。

そして騒ぎに駆けつけた警備員が、男を連れて行った。



「肩貸します!ここにいるのは嫌だと思いますから」



そう言って二人のメイドに肩を貸した玲奈は、ひょいっと立ち上がった。


「あ、あの……玲奈さん」

「はい……?」

「今まで、酷い対応してごめんなさい……まさかあなたがこんなに優しい人だとは思わなくて……その、許してだなんて言わないから、気持ちだけ受け取っておいて欲しいの」

「私も、いくら大奥様に言われたからとは言えひどいことをしてしまったわ……」

「いえ!確かに傷付きましたけどみなさんも仕事できる方ですし恨んでなんかないですよ!」


清々しい笑顔でそう言った玲奈。若干根に持ってる気がしたけれど、そんなところも好きだ。

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