私たちの恋風は、春を告げる
「桐原呼び戻してくる。多分まだ遠くには行ってないと思うから」
「いいよ。美波が私を見て驚くのも、無理ないから。今はそっとしておいてあげて。……お願い」
「……わかった」
静かに答えた冬紀は、近くの椅子に腰をかける。
「あいつ、ずっとお前のこと心配してた」
「……うん」
「だから、お前に会ったこと、黙っておけなかった。急に連れてきて、悪かった」
「ううん。私も、美波にはずっと会いたいと思ってたから」