私たちの恋風は、春を告げる
−雪風巻 ゆきしまき−
「希海ね、明後日退院することになったんだー」
「……え?」
美波と冬紀が来た次の日。
希海ちゃんの急な知らせに、私は折り紙を折っていた手を止めた。
「…そうなんだ。お家に帰れるようになって、よかったね!」
「うん!…よし、できた!見て、ハート!」
希海ちゃんが一生懸命折っていたのはピンク色の折り紙で折ったハート。
「わあ、可愛い!すごい上手に出来てるね」
「これ、お姉ちゃんにあげる!」
「いいの?ありがとう」