私たちの恋風は、春を告げる
「いつも、来てくれてありがとう。どうぞ、中に入って」
おばさんは優しく笑って、ドアを開けてくれた。
ついこの前に会った時よりも、また少し痩せたように見える。
きっと、毎日咲茉に付いているんだろう。
「咲茉、今日も冬紀くんと美波ちゃん、来てくれたのよ」
おばさんの問いかけに、答えはない。
俺と桐原が咲茉に近寄る。
今日も、咲茉はいつも通り、固く目を瞑ったまま、ゆっくりと息をしている。
もう1ヶ月以上、咲茉は眠ったままだ。