私たちの恋風は、春を告げる
冬紀との勉強会から、特に変わったことは起きてない。
「いただきます!」
こんがり焼けたトーストに、私は齧り付いた。
「そういえば咲茉、冬休みいつからって言ってたっけ」
「冬休み?えーと、25日が終業式だから、26日からかなー」
「あら、じゃあもうすぐじゃない。咲茉冬休みはいったら、昼間はひとりになるんだし、鍵の戸締りちゃんとしてよー」
「はいはい。去年もやってるから大丈夫だって」
コーヒーを飲み終えて食器を片すお母さんに、私は不満げに言った。