私たちの恋風は、春を告げる
「……咲茉。今から、少し難しいお話を先生にしてもらうけど、ちゃんと聞ける?」
「……うん」
お母さんと一緒に、私は診察室に入った。
「どうぞ、こちらにお掛けください」
先生の言われるまま、私は近くの椅子に腰を掛ける。
先生が見つめる先には、この前の検査で撮影したMRIの画像。
その画像を見て、ど素人の私にもすぐにわかるくらいの違和感が感じられた。
画像の一部に、白い大きな塊が映っている。