果実と恋のバスケット
幻聴じゃなかったっ…?
ブドウくんはさっき一瞬だけ見せた威圧的な雰囲気を取り戻して、大変黒いオーラを撒き散らしている。
「てめぇ…やっぱりあいつの知り合いかよ!」
「きゃあっ!?」
目の前にいた男性が私に掴みかかる。
さっきから言っていたあいつって、ブドウくんのことだったの…!?
一瞬そんなふうに思考を走らせるけれど、また男性に殴られそうになって、今度こそ覚悟を決めて目をつむる。
だけどドン!という大きな音が聞こえたきりで、衝撃はやってこない。