果実と恋のバスケット
「ま、僕も負ける気はないからね!」
「私もですよ。みすみす奪われる気はありません」
ブドウとリンゴも示し合わせたかのように頷いて、レモンを追ってしまう。
残ったのはイチゴだけで、イチゴは俺を見上げていた。
「あいつ…レモン、ね。ミカンへの劣等感とか、ずっとあったっぽいから。大事なものまで、なくしたくないんじゃない?」
「劣等感…」
「うん。じゃ、ボクも負けないよ。ミカンも参戦するなら、ちゃんとぶつかってきなよね」
イチゴもそう言って、俺を置いてブドウたちを追いかけた。